魔人の闘将
ストーリー(1/8)
ルクレチア西部イスペニア地方とその西に広がる 大国エスペラントの間を境界のようにゆったりとさえぎるパラティア山脈…
そのゆるやかな山脈の谷間には古くはユリウス帝の時代にイスペニア地方を追われたドラガーと言われる部族がドラガー国を名乗り、小国を形成し、独自の文化圏を形成していた…
しかし、ドラガーには建国以来の危機的状況が訪れていた。
史上最大の大旱魃による水不足、作物の不足によって次々と死んでいく国民…そして、病床に臥せり起き上がる事もままならない国王陛下…そんな危機的状況の中、皇太子であるヘクトール=ディ=マジスン(ヘクター)は、婚約者であり平和主義者であるリシェラ=マルセイユとともに、豊富な水源を持つイスペニア地方の援助を得るため、イスペニア地方を束ねるアイザム=ゼニオ=ミゲール将軍との間に和平協定を取りつけるよう画策する。
異文化に対し理解を示し、ドラガーに伝わる数々の魔術に興味を持ったアイザム将軍とドラガーの平和を第一に考える全権使節リシェラとの交渉はすべて上手くいっていた、そう、ある一点を除いては…
ドラガーの国王には代々、武力や魔術、策略・治世に秀でた4人の死将軍と呼ばれる者達がいた。
重戦騎バルバス=カタロニア、呪術師グレゴリオ、密林の騎士サルート、穿孔のジェリル=ティターナの4人である。
中でも国境付近に領土を構え、ルクレチアとは国境問題で諍いを起こし続けてきた若き女将軍ジェリルはヘクターやリシェラの和平政策に対して猛反発を起こし、イスペニア地方を再び武力によって取り戻す事を訴える。
しかし、それら反対勢力を退けたヘクターは国境付近にバルバス軍を控えさせると、リシェラ率いる全権使節団とともにアイザム将軍との最後の会談に赴いた。